サッカーイングランド代表で、日本でも一大現象を巻き起こしたほど何かと栄えるサッカー選手デビッド・ベッカムの愛車(過去所有を含む)は次の通りです。
【ロールス・ロイス・ファントム・ドロップヘッドクーペ】
ボディカラーは黒で、ボンネットはヘアライン仕上げのシルバー。黒とかシルバーじゃなくたぶんもっと格好良い呼び名があると思いますが…。ホイールは標準の21インチから真っ黒の超扁平24インチに変えられています。現行ロールス・ロイスの中ではもっともオーナードリブンに近いモデルですが、それでも私のような庶民から見るとどうしてもショーファードリブン、あるいはパレード専用の豪華な車に思えてなりません。ただ、そこはベッカム、とりあえず何に乗っても似合うもんですね。
【BMW X5 Security】
ベッカムがレアル・マドリードに在籍していた頃の愛車。車種は先代のE53なので、通常であれば車両本体は高くとも1200万円なのですが、ベッカムのX5は4750万円の特別車両となっています(1ポンド190円だった2003年当時に25万ポンドで発注)。ビクトリア夫人や長男に対する誘拐未遂事件を受けての一台だったのでしょう。ウィンドウ、ボディともに全面防弾仕様となっており、357マグナム(38口径)や9mmルガー弾(9mmパラベラム弾)での銃撃はもちろん、44マグナムからの攻撃に対しても内部の安全と走行性能を確保。対毒ガス攻撃用に酸素吸入装置も装備。攻撃を探知するとドアは全てロックされ、インターコムで外部とのやりとりが可能。狙撃、爆弾にも耐えられるランフラットタイヤも装備。簡単に言うと、「対テロリスト」車両ですね。もはやこのスペックは装甲車と呼ぶにふさわしい一台なのですが、見た目はまったく通常のE53のままです。私(管理人)はノーマルのE53については日々見慣れていますので、いっちょ違いを見つけてやろうとSecurityエディションの画像をあさってみたのですが、本当に違いがわかりませんでした。装甲車としてのアピールが何もないのはもちろん、まったくもってノーマル然としています。こういうところがいかにもBMWらしいと言いますか、ドイツの車らしいと言いますか、そんな感じです。せっかくなのでこの”X5 Security”の後継車種であるE70の”X5 Security Plus”の画像も確認したのですが、やはりノーマルのE70と同じ外観でした。
ただこの車、2006年1月にベッカムの使用人が利用中にマドリード市内で盗難に遭っています。その後、マケドニアでヤンクロフスカ内務大臣の「公用車」として活躍していることが判明。マケドニアとアルバニアの国境付近で押収された車両の一台がこのX5だったそうで、所有者が名乗り出なかったためにマケドニアのルールにのっとって国有化されたとのこと。そして国がさらに調べたところ、ギリシャ経由でマケドニア入りしていたことがわかり、ギリシャに来る前にはスペイン国内で20回ほど念入りに名義変更(自動車ロンダリング?)されていたこともわかり、そもそもはベッカムの愛車だったこともわかったそうで。この内務大臣は返却の意思を示していましたが、それからどうなったかはわかっていません。
さて、マケドニアとアルバニアの国境付近ということで、「盗難車両といえばたしか…」と思った方もいるかと。そうです、トップギアのシーズン16-3でアルバニアの「お国柄」が紹介され、「ここは世界中の盗難車両が集まる盗難車天国だぜ!(ざっくり要約)」ということが言われていました。実際、国中いたるところにメルセデス・ベンツの姿がありました。ベンツしか走ってないのかというくらいのベンツだらけの映像。アルバニアで登録されている車の8割がメルセデス・ベンツというあり得ない車事情ですから、カメラをどこに向けてもベンツばかりなのは当然といえば当然ですが。そして、アルバニアの治安維持相(Public Order Minister)がギリシャと犯罪協定を結びにいったとき、その治安維持相の乗ってきた車が盗難車だったというのも当然といえば当然だったのかもしれません。マケドニアとアルバニアを一緒くたにするのも乱暴な話ですが、それでもなんとなく似た匂いを感じてしまいそうになる私(管理人)であります。
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