【CANON EOS 6Dレンズキット】【勝手レビュー】

  1. カメラ

モーターショーやその他展示イベントでの自動車撮影用にキヤノンのEOS 6Dを購入しました。EF24-105mm F4L IS USMのレンズキットになります。

自動車イベントでの自動車撮影にはうってつけのカメラだと思います。もっと早く買っておけば良かったと後悔もしています。副サイトのスナップショット専用サイトでは6D撮影の画像が中心で、今後はこの本サイトもそうなっていきます。そして、一通り操作に慣れてきたので、勝手レビューも兼ねて購入の経緯を残しておこうと思いました。購入の動機はもちろん、自動車撮影です!

自動車撮影に適したカメラの条件は?

自動車展示イベントや自動車博物館は、比較的暗い撮影環境です。三脚を持ち込めない環境もありますが、といってフラッシュ/ストロボを焚くと見たままの表情を上手く切り取れなくなる可能性もあります。2011年の東京モーターショーでは考え無しにフラッシュ/ストロボを焚いたおかげで、「こんなはずでは」となった画像が少なくなかったです。以降、ストロボ無しを重視して撮影してきました。自動車撮影のためには、薄暗くてストロボ無しで露出が稼げなくてISOが上がっても、綺麗に手持ち撮影できる機種が好ましいです。

これまでのカメラ遍歴

2011年初頭のニューイヤーミーティング用にニコンのD3100を購入しましたが、

普段使いには大きかったので譲ってしまい、その後はずっとオリンパスのXZ-1で撮影を続けていました。何となく全てをこなすには、XZ-1のサイズが大きく物を言いました。何しろ、ポケットにすっぽり入ります! ただ、XZ-1は望遠端でもF2.5とレンズが明るく使い勝手が良いものの、ISO100以外ではノイズが厳しかったです。といって、ISO100で固定すると屋内撮影ではシャッターが稼げません。トヨタ博物館や日本自動車博物館その他ミュージアムでは、ISO100固定の手ぶれ対策三脚タイマー撮影でした。それで何とかやってはきたものの、サーキットの狼ミュージアムでSLS AMGを撮ったときに限界を感じました。

いつも通りのISO100固定で三脚タイマー撮影でしたが、

どうもシャキッとしなくなった上に、ボディカラーの色ムラと言いますか、ノイズが気になります。うすうす感じてはいましたが、XZ-1はISO100であってもメタリックカラーの青が綺麗に撮れないことがあります。センサーの限界なのでしょうか。あるいは、XZ-1は記憶にあるだけでも三回ほどアスファルトやコンクリートにガツンと落っことしたのでその影響なのでしょうか。いずれにせよ、青系統が弱く感じられるようになっていました。

フルHDから4K、8Kの時代へ

このような色ムラやノイズを手っ取り早くごまかすには、アップロードする画像を400×300程度に小さくしてしまえば事足ります。しかし、私はブログを細々ながらも末永くやっていきたいと考えていたので、いつからか幅1920pxの大きなサイズでアップロードするようになっていました。数年後に振り返っても耐久性のある画像を残しておこうと考えたからです。

現在流通しているパソコンの解像度は、ほぼ100%が1920×1080を採用しています。そして、これは動画のフルHD規格でもあります。しかし、1920×1080といってもせいぜい207万画素です。1920×1080で2,073,600。iPadやMacBookでこれを超えるRetinaディスプレイが売れているように、数年後にはフルHDではなく4Kや8Kに届いているかもしれません。そう予測してしまうと、今でこそ「そんなに大きな画像」と思われるものでも、数年後にはちょうど良いのではないかと考えました。それに、幅1920pxといっても元画像からは随分と下げています。207万画素というのは、XZ-1の1,000万画素すら有効活用できてないサイズです。

幅1920pxでもノイズなく見るに堪えうる画質。そんなことを考えつつも、2013年のモーターショーが近づいてきました。ちょうど良い機会ということで、新しいカメラの検討開始です。ストロボ無しで早くシャッターを切れ、しかもノイズが少ないとなると大きなセンサー。大きなセンサーの最たるものといえば、フルサイズ。安直きわまりないですが、そう考えてフルサイズ機で探し始めました。

6D以外の選択肢は?

フルサイズ機選びで6Dと比較検討したのは、ニコンのD600とソニーのα7でした。当初は6DとD600で比較していたのですが、モーターショー間近にα7が発表され、急遽比較リストに追加しました。

6Dは世界最軽量フルサイズ一眼とのことですが、少なくともD600と持ち比べてもそれほど大きな違いは感じられませんでした。言われないと気付かないくらいです。一方、α7は6DやD600と比べて明らかにコンパクトで心惹かれました。ソニーストアで実機を触り、

「これぞコンパクト…」と思案六歩。XZ-1と比べてもこのサイズにとどまるコンパクトボディは大きな魅力です。

しかし、目的は自動車撮影です。

6Dの高感度性能

繰り返しになりますが、自動車撮影では暗所でもストロボ無しで綺麗に手持ち撮影できることが重要です。この条件を考えると、6Dが頭一つ抜けていました。まず、スペック上では6Dの常用ISO最大値が25600となっており、しかも6Dだけが低輝度限界EV-3という数値を誇ります。画素数を抑えた効果もあるのでしょう。ただ、iPhoneとAndroidの違いではないですが、スペックが立派でも実際に撮影してみないとわからないので、コジマ電気にSDカードを持ち込んで撮影させていただきました。陳列棚の裏側の薄暗いところに何度も色んなカメラを突っ込んでパシャパシャと、傍目にはかなり不審なテスト撮影をしていましたが、結局6Dのほうがスペック通りの図抜けた暗所性能でした。特に想定外で驚いたのは動画も暗所に強かったことです。夜間専用のドライブレコーダー代わりにも使いたくなったので、夜間の車載撮影用にと

単焦点レンズも買いました。

全方位的に平均値の高いD600

ただ、条件を変えて自動車撮影用ではなく、激しく動き回る人物撮影となると、D600のほうが向いていると思います。日常用途をそつなく幅広くこなせる万人向けフルサイズ機ということで選ぶなら、6DよりD600です。D600は一通り高い平均値を確保しているオールラウンダーなカメラだと感じました。

まるで自動車撮影専用カメラな6D

と言いますか、6Dを使えば使うほど、はなからオールラウンダーになるつもりがなかった非常にクセのあるカメラに思えてきます。使えば使うほど、自動車撮影向けに余計な機能を削ぎ落としたカメラなのだと思えてなりませんでした。

上記の高感度性能に加え、比較した中では6Dの静音シャッターが最も静かでした。これは館内での撮影に大変助かります。ストロボがないですが、自動車撮影ではむしろ余計な機能になりがちですし、そもそもストロボが無くても撮影できます。

そして、ピント合わせのAF補助光がありませんが、自動車撮影ばかり念頭に置いていた私は「余計な機能がなくて良かった」などと考えてしまいました。信号待ちで前にいる面白い車を撮影する際に、AF補助光を切り忘れてしまって「さあこれからあなたを撮影しますよ!」と、補助光ビームを放ってしまう心配がないからです。はい、実際にやってしまった苦い経験があります。

XZ-1を使っていたとき、一台前に面白いステッカーを貼った車がいたので、一枚残しておこうとシャッターを半押し! 補助光ピカッ! おそらくは、運転されていた方の気分を害してしまったと反省しきりです。そもそも暗所でもバシッとピントが合う6Dに、AF補助光など不要です。

6DとD600とα7のファインダー

あと、実機の操作感について書いておきたいのですが、6DとD600とα7を触って比べた際、一番気になったのはD600のファインダー内の暗さでした。D600のファインダーを覗くと少し黄色みがかっていて薄暗かったです。個人的に取っつきにくさを感じ、使いづらさを覚えてしまいました。個体差なのかと思い他のコジマ店舗やヤマダ電機でも確認しましたが、やはり6Dやα7と比べて黄色みがかっており、薄暗かったです。同じニコンでもD3100のファインダーは6Dやα7同様にクリアで明るいので、ニコン特有ということではないようです。D600のファインダーはちょっともったいない気がしました。実は、SDカードを持ち込んで店内で暗所性能を確認する以前に、ファインダーの見やすさでD600より6Dのほうが良いなと気持ちが傾いていました。

フルサイズ機以外との比較

XZ-1を使い倒してきたので結局はXZ-1との違いが身をもって痛感できます。やはりフルサイズ機は凄かったです。

モーターショー会場をあっちこっちパシャパシャと撮っていましたが

このような写真はどう転んでもXZ-1では撮影できません。ISO100固定の三脚タイマーでもこのような表現は不可能です。XZ-1でかれこれ1万枚以上撮ってきたのでわかります。

しかも、raw現像で頑張っていたXZ-1と違い、6Dを使い始めてからはrawではなく撮って出しのjpegでも十分になりました。raw現像の習慣がついていた私は6Dでも当初はraw現像していたのですが、標準撮って出しのjpegと大して変わらないことに気付いたので、もう撮って出されたjpegのまま使っています。もちろん、rawで撮らないわけではなく、raw + jpegで撮影し、rawだけバックアップ用に外付けHDDに保管しています。

改めて書くことでもないですが、しっかり撮影したいならセンサーサイズは大きいほうが良いです。XZ-1の1/1.63型CCDセンサーで撮影した画像を数年にわたって見続けてきた実感からですが、センサーサイズが1インチ以上になるともう明らかにXZ-1ではかなわない表現ができています。買うなら1インチ以上です。

6D購入を考え始めた頃、これまでの撮影を一通り振り返ろうと、長らくアクセスしていなかったニューイヤーミーティングの画像フォルダも開きました。すでに譲ってしまったD3100で撮影した画像です。目を見張りました。D3100で撮影した画像を見て、逆説的にですが、普段使っているXZ-1がいかに取りこぼしが多かったかを実感できました。上手く言葉にできないのですが、XZ-1と比べると、D3100は目の前の情報を何一つ漏らさず取り込み、堅実にしっかり掴んだ表現ができていたのです。これはニューイヤーミーティング後に画像を確認したときには感じ取れなかったことです。目が肥えたのか、あるいは目がやせ細ってきたのか。どちらにせよ、「センサーだな」と思いを強めました。

と、一通りXZ-1に厳しいことを書いてしまいましたが、もしXZ-1と同等のボディサイズでもう一度カメラを選ばないといけないとなると、やはりもう一度XZ-1になるのかなと思っています。もう売っていないからXZ-2でしょうか。どちらもF1.8-F2.5というレンズは珠玉です。あるいは、本体はやや大きくなるもののレンズは妥協し、1インチセンサー優先でRX100あたりかもしれません。ポケットに入るサイズというのは時に大きな武器になります。そもそも、これまでカメラに要求してきた「全てをこなせる一台」という考え方に無理があったのかもしれません。6Dを購入してもXZ-1はマクロ撮影専用機として活躍中ですので、結局は一長一短です。

デジタル一眼レフカメラをどこで買うか?

私はコジマ電気で店頭購入しました。

デジタル一眼レフカメラのように20万円クラスの家電を購入する場合、価格コムやconecoなど価格比較サイトの最安ショップを選びがちです。ただ、この価格帯の商品で最安値との差額が二万円三万円程度なら、近くの家電量販店で購入しても良いと思います。

価格コムの最安常連ショップやネット通販と違い、家電量販店ではこちらの質問にことごとく答えてくれます。メーカー横断的な質問にも答えてくれます。もちろんそうでない店舗や店員さんの場合には避けた方が良いですが、通常の量販店なら時間を割いて説明してくれますし、必ずといって良いほどこちらが見落としていた情報、これまで持ち合わせていなかった着眼点を得ることもできます。何より、家電量販店なら実機を触り放題です。しかも、SDカードを持ち込んで自由に撮影してそのデータを自宅のパソコンで確認して比較までできます。どれほど優秀な口コミやレビューが千語万語を尽くしても、実際に物に触れて操作する本物の体験には及びません。

このような量販店でしかできないサービスまで考えた場合、いくら二、三万値段が安いからといっても、ただ「買うだけ」の最安通販ショップはその「安いだけ」というサービスが物足りなく感じてしまいます。

ショールーミングという言葉が問題になったりもしていますが、恐らくショールーミングという言葉の前提には、家電量販店は価格コムの最安ショップより何割も高いという誤解があるのではないでしょうか。私も「家電量販店はべらぼうに高い」だの「ポイント商法で釣ってる」だのと考えていましたが、実際に足を運んでみるとEOS 6Dに掲げられていた値札は価格コムの最安と大きな違いはありませんでした。そして私はポイントカードの類は一切作らないようにしていますが、その点も何ら問題ありませんでした。カードがないと家電量販店独自の延長保証に加入できないのですが、メーカー保証で十分です。

さいごに

読み返してみるとレビューと呼べるほどのレビューに丸っきりなってないですが、カメラを購入する際の一つの考え方として、どなたかのご参考になれば幸いです。あと、6Dを使っていて今でも慣れないことが一つだけあります。それは、

この写真/動画の切り替えスイッチレバーです。動画を撮影中に写真撮影に切り替えるとき、あるいは写真を撮影中に動画撮影に切り替えるとき、必ずといって良いほど逆に動かそうとしてしまうのです。私に何か変な癖が付いているのかと考えましたが、思い当たるフシがありません。

そのうち慣れて間違わなくなるとは思いますが、この写真と動画が逆であったなら6Dはパーフェクトだったのにと、些細な物言いを付けてレビューの〆といたします。

レクサスも頭金ゼロで乗る時代。
もちろん新型アルファードだって頭金ゼロ。
あの人の車も、頭金ゼロかも【トヨタ公式】

新時代の車の楽しみ方へ

コメント

    • サルサ
    • 2014年 12月 19日

    とーっても面白くて詳細で参考になる記事でした。

      • ultimative
      • 2014年 12月 23日

      恐縮です、ありがとうございました!

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