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ソニーの

α6000パワーズームレンズキットを購入しました。しかし、画質に失望して我慢できず、一週間ほどで手放しました。想像していたカメラとは違っていたからです。今振り返ればもっと上手く活用してあげられる方法が他にあったかもしれません。しかし、急ぎ足で試写もせずに勝手に高い期待値を抱いて購入してしまったがために、その反動も大きかったです。

このパワーズームレンズキットをお使いの方が以降の記事を読むと、気分の良くない思いをするかもしれません。ただ、私のレビューの欠点や落ち度、つまりパワーズームレンズキットの本来の良さはこうだというご指摘がいただけるかもしれないので、いつもと毛色の違うままに投稿することにしました。

カメラにさほど詳しくなく、自動車撮影が前提という狭い視点からのレビューですので、この点はあらかじめご容赦いただければと存じます。

購入の経緯

前回の記事でEOS 6DのErr20を扱いましたが、横浜のサービスセンターへ持ち込んだ際、この修理が終えるまでに大体一週間ほど必要との説明を受けました。

ちゃんとしたカメラ無しで過ごす一週間を想像するとどうにももどかしく、せっかくなのでピンチヒッター用の予備機、いわゆるサブ機を購入しようかと思い立った次第です。

これまではサブ機としてXZ-1を使っていましたが、考えてみればサブ機がコンデジである必要などありません。コンパクトであればAPS-Cでも良いはずですし、メイン機が使えなくなった際に出番となるサブ機ですから、メイン機のスペックに近ければ近いほど良いとも言えます。

APS-Cといえば、以前使っていたニコンの

D3100が思い出されます。もしコンパクトなボディでD3100で撮影したこの

画像と同程度に撮れるなら、それはきっと素晴らしいサブ機になってくれるに違いない、そうだ、コンパクトなAPS-Cを買おう、そうなりました。安直ですが、こういう流れで購入に向かいました。

なぜα6000か

サブ機をα6000に決めたポイントは、

・前後のAF追従
・コンパクトボディ
・センサーサイズ
・動画

の4点です。

特に、店頭で確認した限りでは、前後遠近でのAF追従が素晴らしく思えました。

6Dを使い始めてからもう一年以上になりますが、6Dにもし前後方向に食らいついて離さないAF追従があったなら、向かってくる車にぴたりと食いつく画像が何の労も無く撮れるはずです。

という私のような特殊な用途を考慮しなくとも、今後出るであろう6D後継機のMarkIIに前後遠近のAF追従を期待している6Dユーザーは少なくないでしょう。6Dで動画撮影時にもAFがぐいぐい食いついてくれたなら、きっと手放せなくなる一台になります。

店頭でファインダーを覗きながらチェックした限りでは、α6000はそんな遠近追従のAFが機能しているように見えました。静止画・動画の双方で遠近に食いついているようでした。

そして、センサーがAPS-Cなので画質が悪いわけはないだろうという思い込み、さらにお手頃価格帯ということもあって、試写をすることもなく購入完了です。実際に撮影された画像を事前に確認もしていません。とにかくさっさと買って楽しみたかったのです。

実際に買って使ってみた感想

α6000で撮り始めてその撮って出されたjpegを見るたびに、「え、なんで!?」の繰り返しでした。

撮影開始から二、三日で手元に書き連ねたメモレビューは次の通りです。

・立体感がない
・解像していない
・基本的にピントが合っていない
・ピントが合ったことになってシャッターを押下しても合ってない
・AF-Cの追従が悪さしているのかとAF-Sでブツ撮りしてもやはりぱっとしない
・動体に遠近で食いついてることになってるけど撮った画像ではやはりAFが追従できてない
・連射すれば一枚くらいちゃんとしたのが撮れるかと思いきや全てがいまいち
・ゾーンでもマニュアルでも同じ
・いくら高速AFといっても実際の画像で合焦してないなら意味がない
・そもそも合焦してないのか手ぶれなのかわからないくらい画質がざらついてる、きめがない、シャキッとしてない
・ディテールがつぶれてる
・ノイズが酷い
・渦巻き模様の部分は何らかの処理を示しているはず、なのにどうしてこんなに雑なのか

改めて見返しても殴り書きのように書き連ねていますが、最後の「渦巻き模様」というのは、ノイズを拡大したときに確認できる規則的な模様のことです。

私にとってAPS-Cといえば以前使っていたD3100の経験しかありませんので、それくらいの内容を期待していたのですが、D3100には到底及ばない解像感でした。これはミラーレス特有の問題なのか、あるいはα6000だけに当てはまるのか、初日では原因が全くわからず、余りにわからなくて考えていると頭が痛くなりそうでした。

もちろん、D3100で撮影したニューイヤーミーティングと全く同一の使用環境ではありませんが、とても同じAPS-Cとは思えない解像感で、α6000で撮影した画像にはまるで立体感がなく、まるで解像しておらず、全くピントが合っていないように思えました。

たとえば、パワーズームレンズキットで撮影したこの

ジャガーXタイプのツーリング。いつか書こうと思っている題材の一つに「珍しワゴン特集」があり、それに向けての一枚のつもりでしたが、やはりぱっとしない画像です。PCの大きなディスプレイでご覧いただいている方にはもう一目瞭然ですが、クリックして拡大するまでもないほどいまいちな画像です。

何かこうキレがなく、遠近も乏しく、解像感もなく、ベトッとしています。

停車中の露出1/250に負けるような手ぶれ補正なわけはないですし、ISO100なのでISO的なざらつきが滲み出ているわけでもありません。本来であれば遠近の「近」に感じられるはずの部分が遠めに感じられ、逆に遠近の「遠」に感じられるはずの奥行きが本来の奥行かれる位置より近めに感じられ、どうにも立体感が乏しいのです。

撮っても撮ってもこのような画像ばかりで、これはどうしたものかと思案しました。

そもそも立体感とは

他の作例を見る前に、キレがない写真とはなんぞやと考えていきます。

α6000を手放してから強く意識し始めたことなのですが、そもそも立体感とは何なのでしょうか。動画や画像のコンテンツを立体たらしめる要因は何なのでしょうか。

この立体感についてのヒントを得られるかも知れない機会が、先週28日から始まった「NHK技研公開2015」でした。

以前YouTubeで技研見学会の様子を見たことがあり、そこではスーパーハイビジョンの8Kテレビを見ている人たちが口々に「凄い凄い!」「不思議!」「気持ち悪い!」と、平面テレビが立体的に見えることを驚いていました。

2D映像が3D映像に見えるとは一体何ごとでしょうか。平面映像を見て立体感を覚えるとはどういうことなのか、ずっと頭に引っかかっていたので、既にパワーズームレンズキットを手放した後ではありましたが、この技研公開には初日から足を運びました。

そして、エントランスだけではなく次々と8Kディスプレイ群が出迎えてくれたのですが、私は8Kには全く免疫がなかったので、たとえばこの

8Kの映像を見ていて、何度かぞくっとさせられました。上記画像をクリックしていただければ静止画像でも少しは伝わるかもしれませんが、平面ディスプレイなのに、確かに3Dを感じさせる瞬間がありました。

NHKの方によれば、立体感というのはまだまだ謎が多い感覚とのことで、NHKとしても立体感についての

研究を進めている最中でした。そしてその全てを解明できるのはまだずっと先のことだろうと仰っていましたが、立体感を向上させる要因のいくつかはわかってきているようです。その一つが

表示解像度・高精細映像にあるとのことでした。

これを見て、「なんだ、8K推しの方便か」と見る方もいらっしゃるでしょうし、確かにそういう向きもあるかもしれません。しかし、実際に8K映像を間近に見て立体感を覚えてしまった人間にとっては、非常に説得力のある説明です。

先ほどの着物画像のように、8K液晶ディスプレイに流れていた映像を、6Kにも満たない6Dで撮影し、それを2Kしか再生できないフルHDディスプレイで閲覧しても、まだ8Kの余韻が感じられます。実に面白い話です。

非常に謎が多い感覚である「立体感」ですが、8Kであろうと4Kであろうと2Kであろうと、高解像度・高精細が大きな要因であることは間違いなさそうです。

解像しているとは

では、そもそも解像している、あるいは解像感が高いとはどういうことなのかという話ですが、私には厳密な定義はわかりません。

ただ、撮影した画像をPCに移してディスプレイで見る際、マウスの真ん中にあるホイールをついくるくる回し、「どこまで解像してるかなー」と、どこまでも拡大していきたくなる画像は、解像感が高い画像だと思っています。

あるいは、書籍の小さな文字を二台のカメラで撮影し、それを拡大していったときにより綺麗な輪郭を維持できているほうが、より解像しているとも言えます。

そういう意味でいうと、α6000のパワーズームレンズキットで撮った画像は、マウスのホイールをちょっと回したくらいでもう見るに堪えられない画質になってしまいますし、そもそも、ホイールを回す気にもならない画像ばかりで悩みました。解像していないのですから、立体感が乏しいのは当然です。

ちなみに、上記の書籍撮影による文字の拡大比較は、数年前までは新製品の発表時に目についていたPR手法です。たとえば、新しいコンデジの発表時に、「某社1インチセンサーコンデジとの比較」と掲げ、公式プロモーションページに掲載という具合です。

書籍の小さな文字を同条件下で撮影して拡大し、某社のコンデジで撮った画像は字が潰れて読めなくなっている一方で、某社よりセンサーも小さく画素数も半分程度の我が社の新製品では、キレのある字体を維持できています、レンズの切れ味抜群! という話でした。

「解像する」あるいは「解像感がある」ということは、センサーサイズや画素数と必ずしも比例しないことを訴える比較です。

そして、この某社というのはソニーの初代RX100でした。まだ他に1インチコンデジが存在していなかった時代ですから、なんて都合の良い伏せ字だろうかと思いながら比較画像を見ていました。しかし、RX100の二代目以降が1インチ未満のコンデジから解像感で比較対象とされているのは見たことがありません。

そもそも、初代RX100も比較相手としてハードルが高く、下手をすれば相討ちや返り討ちのリスクもある機種です。さらにその後、1インチセンサーが激戦区となってそれぞれの商品力が高まっていったので、いくらレンズだけが良くても1インチ未満という土俵からでは太刀打ちが困難になったのでしょう。

直接ソニーの方に聞いてみる

話は戻ってα6000ですが、直接ソニーの方に聞いてみることにしました。

ヨドバシカメラやコジマやヤマダ電機の店舗に行くと、時間帯によっては店舗スタッフがフロアに見当たらないことがあります。といって、フロアに誰もいないわけではなく、メーカーの方々は大勢いるという状況です。

こんなとき、さすがに違うメーカーの製品について込み入った質問はできないですし、メーカー横断的な質問もしづらくて困るのですが、今回のように特定メーカーの製品について込み入った質問をしたいときには本当に助かります。前のめりになって一緒に考えてくれるからです。

ソニーの方に存分に疑問・質問をぶつけさせていただきましたが、最終的には「レンズキットでは実力相応の表現では」ということでした。

…レンズ?

原因はレンズ

ソニーの方を質問攻めにしてから帰宅後、初めて価格コムでα6000の作例を確認しました。購入から既に4日くらい経っていたはずですが、今さらというタイミングでの確認です。

結果、価格コムで確認できるパワーズームレンズキットの作例は、失礼ながら私が撮って悩んでいたものと変わらない内容でした。α6000の作例の中には当然「おっ!」と思われる一枚も登場するのですが、それらは決まって他レンズでの作例ばかりでした。まさに、ソニーの方が仰る通りです。

D3100でも6Dでもレンズキットに満足してきた私にとっては、レンズの問題というのは全く抜け落ちていた視点でした。

そして同時に気づいたのですが、このパワーズームレンズキットのレビューをされているブログには、パワーズームレンズキットで撮影した作例がほとんど存在していません。どれだけ丁寧にレビューをしていても、作例がやや不自然に抜け落ちています。

売上げランキングの上位に位置し、日本中で毎日売れ続けているパワーズームレンズキットなのに、レビューブログでは不自然なほどにその作例が欠けていました。

もちろん、α6000を持ってもいないのにアフィリエイト報酬を得る目的で褒めちぎっているレビューブログは多々ありますが、その手の架空の評判ブログではなく、本当に持っている方々でも作例が欠けています。

つまりは、そういうことなのでしょう。そして、それも無理からぬことです。

せっかくα6000を購入し、ついでにレビューでアフィリエイトをしようと考えている人たちが、そのブログ上で

APS-Cサイズ世界最速0.06秒のAFスピード!」と謳いながら

こんなに大きく動きの遅いトラック相手に全くAF追従できていない画像を「このパワーズームレンズキットで撮影しました!」などと正直に掲載するわけにはいかないことでしょう。売り文句と正反対の作例です。こんな作例では読んでくれている人の背中を押して購入へと向かわせることはできません。しかもこのトラック画像、ファインダー内では遠近追従が出来ていたので話は厄介です。

また、

179点像面位相差AFセンサーで画面全体をカバー!」とPRしながら

歩行者待ちで完全停止しているやはり大きめの被写体であるマイバッハの一体どこで合焦しているのかわからないもやっとした一枚を投稿したり、あるいは

ノイズを徹底的に抑制し、最高ISO感度25600を実現!」とPRしながら

ISO3200程度でざらつき切っている画像を投稿してしまっては、訴求文言に何一つ説得力が生まれません。「最高ISO感度」という言葉の定義すら疑われかねません。下手をすると出来の良いコンデジに見劣りすることにもなりかねないので、パワーズームレンズキットを購入した方々が作例を控えてしまうのも理解できます。作例を載せれば載せるほど、購入を思いとどまらせるだけになります。

売却

ソニーの方が仰った通り、これがパワーズームレンズキットの実力相応ということは明らかで、他のレンズで撮影されたα6000の作例は実に素晴らしいものが多いです。それらこそがα6000の真価と言えます。つまり、α6000の実力を発揮させてあげるには、新しいレンズを買い増す他ありません。

しかし、6DやD3100のときと同様に標準のレンズキットでraw現像の手間をかけずにそれなりの画像を期待していた私としては、とてもレンズを買い増す気にはなれませんでした。

それよりは、既にEマウントの確かなレンズを持っている方に利用していただいたほうがα6000としても幸せだろうということで、買い取ってもらいました。

さいごに

購入から手放すまで僅か一週間程度と、本当に足早でした。

ソニーの方からこれがレンズの実力相応と言われつつも、動画撮影に限っては遠近でしっかりAFが食いついていたこともまだ消化できていません。

きっと他にも抜け落ちている視点があるとは思いますが、ひとまず車撮影を前提にしたα6000レビューは以上の通りとなります。

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    • 三浦まさ
    • 2017年 3月 27日

    このブログをα6000購入前に見ておけば買わなくて済んだのに・・・

    今まで撮影してきた写真を見返していたところEOSKissの方が色合いが美しく自然で、また、カシオ計算機のコンデジで撮った写真の方がシ鮮明さには欠けるものの色合い的に綺麗であると気づいてしまったのです。
    そのうえ、このカメラの売り文句であるAFも食いつきがイマイチだったので
    α6000を売り払い、動くものもほとんど撮らないのでEOS6Dを買うことにしました。

      • ultimative
      • 2017年 3月 28日

      三浦まさ様

      コメントありがとうございます。

      久しぶりに記事を読み返して当時の感情がよみがえり、パワーズームレンズキットの作例をいま見るとどう感じるだろうかと価格コムで最近の作例を見ましたが、やはり当時に感じたままでした。

      価格的にもエントリーモデルなので、α6000が初一眼だったり、あるいはコンデジと比較している方々がレビューの満足度を押し上げているように見受けられます。

      他に一眼を持っている方々のレビューを見ると「キットレンズ16-50mmでは解像度に不満が残ったので」だったり「キットレンズだとコントラスト、色濃度が弱く設定で強調してもイビツになり買って後悔しました。コンデジより悪くなるなんて」などとなっているので、三浦さまの感覚はまさに的を射ていると思います。

      私も、落胆が大きかった分をそのまま書いて投稿し、どうもWeb上では少数派な感じ味わっていましたが、今回の三浦さまのコメント、そして本記事投稿後になされていた上記レビューを確認し、間違ってなかったんだと安堵に似た感情を抱きました。

      カメラはやはり画質を伴ってこそなので、こだわっていきたいですね。

      それでは、以上何とぞ、よろしくお願いいたします。

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