クレジットカードで車を購入してみました。850万円ほどを一括で決済してみましたが、今回はそんなクレジットカードで車を購入する際のメリットとデメリット、そして車両購入にお薦めのカードについて考えてみます。
私は
BMWダイナースクラブカードに切り替えて決済したので、BMWダイナースの審査やメリット・デメリットも合わせて考えていきます。最初に結論を書いておきますと、850万円程度までの中古車の場合、私のように事前連絡もなくさらっとその場で出して買える唯一と言って良いカードは、ダイナースクラブカードです。断然お薦めです。
なお、現在は
BMWダイナースプレミアムカードへと切り替えていますが、この決済時に使用したカードは通常のBMWダイナースクラブカードです。私が見聞きした範囲で知る限り、決済額が2,000万円くらいでも通常のダイナースクラブカードで問題ないようです。
車をカードで購入することのメリット
車をクレジットカードで購入することのメリットをしいて挙げるなら、大量のポイントが獲得できることと、あとは若干の非現実的な気分が味わえることくらいでしょうか。
小さな決済でコツコツと積み上げる小さなポイントにはさほど食指が動かないものですが、自動車のような大きな価格帯なら話が違ってきます。同じ金額を支払うのであれば、無機質に銀行振り込みで支払って購入後に何も残らないよりは、クレジット決済でそれなりのポイントが残るほうが少しお得な気分を味わえます。
実際には車両購入に関わる全額ではなく、申込金以外の残りの金額をカードで支払うことになりますが、それでもカードの年会費数年分くらいは簡単にカバーできることでしょう。つまり、わざわざ車購入のためだけにカードを作成しておいても、簡単にお釣りがくることになります。
そして、私のように車の価格帯でクレジットカード決済をし慣れていない人間にとっては、車をクレジットカードで購入するという戯れに似た感覚を味わえることもメリットといえばメリットなのかもしれません。
カード購入のデメリット
現金一括購入を予定していた方であれば、カード決済に変更することで何のデメリットもありません。
一方、残価設定ローンやリースを検討していた方がわざわざカード払いに変更すると、ローンやリースの恩恵を享受できないことがデメリットとなります。カード払いは現金一括購入でしか利用できない場合がほとんどですから。
特に、車を買っても月に100kmも乗らず、いつも最初の車検を通さずに次の新車に乗り換えるような買い方をされている方は、カード購入よりは残価設定のほうがお得でしょう。ポイントや戯れ気分のためにわざわざ一括購入に変更することはありません。
また、カード分割払いの金利は高めなので、ローンやリースを止めてカードで分割払いというのも現実的に意味がない選択となります。
自動車の購入におすすめのカード
購入する車両の価格にもよりますが、冒頭でも触れました通り、私はダイナースクラブカードが唯一と言っても良い一番のお薦めだと考えています。なぜなら、ダイナースクラブカードは決済金額に左右されることなく使えるカードだからです。
私は車を探し始めた頃からクレジットカードでの支払いを漠然と考えていましたが、希望していた車両の価格を増枠申請せずに通常決済できそうな手持ちのカードはダイナースしかありませんでした。
JCBやアメックス、三井住友VISAカードでの中古車購入はどうだったか
もしダイナースではなく、JCBやアメリカンエキスプレス、三井住友VISAカードで自動車購入をする場合、あらかじめ増枠申請をすれば大丈夫だっただろうとは思われます。
ただ、
アメックスプラチナはビジネスカードであるし、
三井住友VISAプラチナカードは公式ホームページを見ても車両決済について公式の言及がありませんでした。
公式ホームページ上で車両購入OKと説明があったのは、
JCB THE CLASSと
ダイナースクラブカードだけでした。
しかし、JCBは標準のご利用可能額(いわゆるショッピング枠)が500万円しかなく、車両購入のためには一時増枠手続きが必要となります。
私はこの増枠という一手間をかけることなく宿泊時のようにさらっと通常決済したかったですし、さらに今回のように中古車購入もOKとわかっていたのはダイナースのみだったので、結局ダイナースを第一候補として考えていました。
もっとも、具体的にディーラーで支払い方法の話になった際、ディーラーの方から「ダイナース以外のクレジットカードは車両決済に使えないんですよ」と言われてしまったので、たとえJCBの利用可能額がもともと1,000万円くらいあったとしても、どのみちダイナースを選ばざるを得ませんでした。
それにしても、ダイナースほど車購入に向いているカードも珍しいように思えてきます。BMWは原則ダイナースしか使えませんし、レクサスならダイナースかアメックスですが但しそれはレクサスの各店舗次第という流動的な状況になっています。ベンツ(というかヤナセ)も基本はダイナースですし、そういえばマセラティもダイナースと組んで一括決済キャンペーンを張ってました。大昔のダイナースならロールスロイスも買えると広告を打ってましたね(ちなみに自動車メーカーとの提携カードとしてアプラス発行のポルシェカードがありますが、ポルシェカードで車両購入する話って聞いたことがありません。そういう目的のカードではないのでしょうか)。
ダイナースクラブカードで無事、中古車を購入
そして、無事に決済へと至ったわけですが、決済は意外やアナログ機器を介して処理されました。懐かしいですよね、このアナログ感あふれる複写って。そして画像の通り、通常のダイナースからBMWダイナースへと切り替えて決済しています。通常のダイナースよりもBMWダイナースのほうがクレジットカードとしてのメリットを感じられたので、直前で切り替えました。
BMWダイナースの審査~切り替え~
切り替えではありますが、ちゃんとした申込み用紙に記入し、提出しています。しかし、CIC新宿にて半年に一度のペースで確認し続けている
信用情報開示によると、
BMWダイナースへの申込情報の記録もなく途上与信も入っていませんでした(唯一入っていた途上与信はいつも通り、四、五年使ってないアメックスのみ)。
これは、信用情報面では「審査無し」ということになってしまいますが、切り替えとはこういうものなのでしょうか。これまでの通常ダイナースの利用履歴を見て判断したのでしょうか。同じダイナースクラブ内のカードへ切り替えるとはいえ、別種のカードを新規発行するにあたってCICを全く参照していなかったことには本当に驚きました。
BMWダイナースの審査~BMW度数~
一般的なダイナースの申込書と違い、BMWダイナースの申込書には
1.ディーラーコード
2.現在所有するBMW車両の車種と年式
3.これまでBMWを何台購入しているのか
を記入する項目がありました。BMW度数を計るかのような項目です。わざわざこのような項目があるということは、これも審査に影響しているのでしょう。それぞれで何らかのスコアリングがなされているはずです。私が申し込んだ時点での愛車は、事故後につなぎで乗っていた1999年式の3シリーズ(318i)で、この318iがBMW歴二台目でした。
BMWダイナースとプロパーダイナースの違い
プロパーのダイナースクラブカードで出来ることはすべて、BMWダイナースクラブカードでも出来ます。通常のダイナースにBMW特有のメリットが付加されたカードがBMWダイナースとなります。
BMWダイナースのメリット~値引き~
BMWダイナースの第一のメリットは値引きですが、これは正規ディーラーでの整備代金がディスカウントされるということです。
BMWダイナースに限った話ではないかもしれませんが、メーカーやディーラーと提携しているカードで決済する場合、販売店はカードの取り扱い手数料が免除されるようなので、その分をいわば還元してお安くできるそうです。
「私は正規ディーラーで整備することはほとんどないから関係ない」とお考えの方もいるかもしれません。
しかし、この点もBMWに限った話ではないですが、最近の車は走るコンピュータとも呼ばれるように、年式が新しくなればなるほど最先端の電子制御技術が詰め込まれています。自動ブレーキに車線逸脱警告、前車追従で完全停止&発進まで行うクルーズコントロール、挙げ句は自動運転までやってしまおうかという車まで登場しています。BMWのiDriveなんて一体今は何代目なのだろうかというくらい、とんでもなく精密な管理システムを構築しており、下手なコンピュータより複雑な技術の上に成り立っています。
当然、正規ディーラーでないと診断できないことは増える一方なので、正規ディーラーへの入庫機会も増えるはずです。それなら、自動的に整備代金がディスカウントされるカードを持っておいて損はありません。特に、通常のダイナースを既に持っている方であればなおさら、切り替えておいても損はないのかなと思います。
BMWダイナースのメリット~ロードサービス~
ほんの数ヶ月前に事故に遭って300km以上のレッカー道中を経験した身としては、このレッカーサービスのメリットも見逃せませんでした。
BMW保険に入っていれば、BMWダイナースの提供するレッカーサービスは距離無制限となります。損害保険各社はロードサービスの距離制限を年々延長してはいますが、さすがに無制限のロードサービスなど存在しないはずです。
そしてBMW保険についてですが、東京海上や三井住友海上を利用している方なら、同じ東京海上や三井住友海上と提携しているBMW保険に入ったほうがお得なのは周知だと思います。これまでと同一契約内容にプラスアルファとして、BMWエクストラケアが無料で付いてくるからです。BMWエクストラケアとは、ドアミラーとフロントガラスが破損した場合、保険の等級に影響を与えずに修理してくれるサービスです。
話は戻ってロードサービスですが、BMWエマージェンシーサービス(0120-55-3578)に電話をして確認したところ、たとえば私が大分県まで車で移動して由布院で故障した場合、まず最寄りのディーラーに一旦入庫し、そこから東京まで運んでくれというのもOKだそうです。総移動距離は1100kmを超えますが問題ないそうです。
修理してもらう場所を自分で選びたい私にとって、このロードサービスは大きく響きました。
BMWダイナースのメリット~ポイントを整備費用に~
私がBMWダイナースに切り替えポイントゼロからはやくも
8万7千ポイントになりますが、このポイントをそのままディーラーでの8万7千円分の整備費用として充当することができます。これも自動車関係のクレジットカードならではの特典と言えるでしょう。
デメリット~ポイント移行~
良いことばかりを書いてきましたが、デメリットもあります。といっても、BMWダイナースのデメリットではなく、正確にはダイナースからダイナースへ切り替える際のデメリットとなります。
上でも触れましたように、BMWダイナースに切り替えるとポイントはゼロからのスタートです。プロパーのダイナースからBMWダイナースへ切り替えると、これまでのポイントが全て消えてしまいます。ポイント移行できません。
私はプロパーのダイナースをたまにしか使っていなかったので痛くもかゆくもなかったのですが、移行できないとなると痛くてかゆくてたまらない方もいらっしゃるはずです。この点はご留意願います。
BMWダイナースプレミアムとの違い
BMWダイナースはプロパーのダイナースにBMW特有のメリットが付加されたカードで、BMWダイナースプレミアムはプロパーのダイナースプレミアムにBMW特有のメリットが付加されたカードとなり、両者に付加されるBMW特有のメリット部分での違いは一切ないとのことでした。
さいごに
今回の記事タイトルに「してみた」とありますように、私がカードで車を買った理由はまさに、「一度やってみたかった」という一点に尽きます。インターネット上には、実際にクレジットカードで車を購入してもいないのに「購入した」などと嘘の体験談をもっともらしくまとめたサイトが目立ったので、本当の体験談があっても良いのでとも考えました。
ほとんどの方にとって、車を購入する機会は毎年のように訪れるわけではありません。新車の買い換えサイクルは平均7年以上、中古車でも平均5年以上という時代です。そういう数年に一度の機会だからこそ、ちょっと変化を楽しんでみるのも面白いのではないでしょうか。
そして、そういう変化を楽しむのにお薦めのカードは、おそらくダイナースしかないと思います。一時増額の手続きなどせずに自動車を買えるという決済面の強みは、非常に安心感が溢れていますから。
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