フェラーリの跳ね馬の由来
先日の馬に引き続き、今回も馬を軸に考えてみます。自動車で馬といえば、やはり、
やはりフェラーリです。車素人の私でも漠然とあのエンブレムが頭に浮かぶくらい、認知度は高いです。
フェラーリの跳ね馬は正式には「カヴァリーノ・ランパンテ(Cavallino Rampante)」と呼ばれ、その由来は、第一次世界大戦にまで遡ります。イタリア空軍のエースパイロットにして国民的英雄でもあったフランチェスコ・バラッカ(Francesco Baracca)が、自身の戦闘機のボディサイドにペイントしていたのがこの跳ね馬でした。戦闘機にペイントされていた馬は赤色で、背景色は白となっています。
そして、エンツォ・フェラーリがアルファロメオのドライバーとして1923年にチルキット・デル・サヴィオで初優勝した際、フランチェスコ・バラッカの母から幸運をもたらすエンブレムとして、戦闘機にペイントされていた跳ね馬を使ったらどうかと申し出があり、1929年から正式採用となりました。
フェラーリのエンブレムの一説として、このフランチェスコ・バラッカが撃墜したドイツの戦闘機から奪い取ったとされる説明もあるようですが、これはフェラーリとしては正式に認めてないようです。そのドイツの戦闘機がシュトゥットガルトの紋章を掲げていたとされる説はどうも俗説のようでした。
ただ、「跳ね馬」という意匠の起源がどこにあるのかを辿っていけば、かつてのヴュルテンベルク王国の紋章に行き着く点は間違いありません。ヴュルテンベルク王国の首都がシュトゥットガルトで、ベンツやポルシェの本拠地でもあります。ベンツもポルシェもフェラーリやアルファロメオのライバルだったので、話が膨らむのも不思議ではないです。
さて、そんな跳ね馬フェラーリですが、都内だと本当によく見かけます。跳ね馬が、跳ね馬が、あの跳ね馬が、この跳ね馬が、跳ねて、跳ねて、跳ねて、跳ねて、跳ねます。
本当によく見かけますが、日本広しといえどもこれだけフェラーリが走っているのはきっと東京の都心部だけなのでしょう。
ポルシェのエンブレム
そして、馬のエンブレムといえば、先述のポルシェもです。
ポルシェのエンブレムは正式には「ポルシェ・クレスト(Porsche crest)」と呼ばれています。
ヒゲ猫フェイスがすっかり定着したカイエンSハイブリッドですが、
跳ね馬の上に”STUTTGART”、つまり本拠地であるシュトゥットガルトの文字が確認できます。ヴュルテンベルク王国の紋章にあった馬がヴュルテンベルク王国の首都であったシュトゥットガルトに受け継がれているので、ポルシェのエンブレムはヴュルテンベルク王国由来であることは間違いありません。
その他の馬エンブレム
また、エンブレムの馬の大きさで言えば恐らくマスタングが最大ですが、
マスタングはそもそもスペイン人がアメリカに持ち込んで野生化した馬を意味する言葉なので、エンブレムが馬なのも当然といえば当然です。
初代マスタングが登場したのは1964年ですが、その当時、フォードはフェラーリを買収しようとして失敗していますので、
このマスタングの馬がフェラーリを意識していたと言われても言下に否定はできません。
最後に、日産のステージアも馬エンブレムです。しかし、よく見ると、
角! 馬と言えば馬と言えなくもない、ユニコーンです。
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