車種・メーカー

【松任谷正隆の愛車】


音楽プロデューサーから自動車評論家まで、幅広く活躍する高等趣味人(?)の松任谷正隆さんの愛車遍歴は次の通りです。

【トヨタ・カローラスプリンター1200SL】
松任谷さんが初めて購入した車。買ったときは二日二晩車の中で寝たそうです。良いですね、このような思い入れといいますか愛着。車のほうもさぞかし嬉しかったハズ。ただ、購入の動機はといいますと、当時、手も握らせてくれないようなガールフレンドがおり、彼女のお父さんがトヨタに勤務していたのでこれを購入すればなんとかなるかも的に購入したとか…。ちなみにその彼女とは買った直後に別れたとのこと、ハハ…。


【トヨタ・マークⅡ】
1972年頃に乗っていた一台。静かな六気筒エンジンがお気に入りだったものの、人生初となるメルセデスベンツのハンドルを握ることで人生観が一変したそうです。その時に乗ったのは300SEL6.3。茨城県から東京まで水戸街道を二時間ほど走っただけで、マークⅡがクルマではなくクルマもどきに思えるほどの衝撃を受けたとのこと。気になったのでこの300SEL6.3とやらを調べてみたら、何やらとんでもない一台でした。1972年という時代状況を考えれば、マークⅡとの違いというか、国産車との彼我の違いは本当に強烈だったのだと思います。ちなみにその6.3のことを忘れようと思っても忘れられず、数ヶ月後には当時「貧乏人のベンツ」と言われていたアウディの100を購入したそうです。


【アウディ100GL】
ベンツの衝撃が忘れられず、1973年に借金してまで購入したという人生初の輸入車。ボディカラーはブルー。結婚前に八王子市民会館で奥さんと二人でコンサートをやったときにも乗っていた一台(余計な情報?)。また、カーグラフィック誌の記事を読んで買おうと思った一台でもあるとのこと。松任谷さんがまだカーグラフィック誌の読者だった1970年代、スーパーカーではなく普通の車に関するCGの記事が好きで、特に長く乗っていられる車への評価に影響を受けたそうです。「飽きない」「長く乗れる」「バランスが良い」という、数字では表せない一つの美意識をカーグラフィックから得て、それによってまた車への視線も変化することになったそうです。


【アルファロメオ・アルファスッド】
1980年代の初めくらいまでの松任谷さんはカーグラフィックの影響を受けつつも、基本的に「大パワー」「豪華」「リラックス」のようなキーワードを重視していたそうです。ただ、免許をもたない奥さんが何かの商品で日産のスタンザをもらってきて家に置き、実際にそれに乗っていると凄く身の丈の感じがする世界観が好きになり、小型車も選択肢に入れるようになって購入したとか。10年近く乗った末に知り合いのギタリストに売却。


【プジョー309GTI】
フランス車にちゃんと接し始めた1980年代半ばに購入した一台。ご本人曰く、「大した動機はない」とのことですが、スモールカーが欲しくて、しかもいい車で、しかしちょっと普通じゃない車はないものか探した末に選んだ一台。格好は好きじゃなかったそうですが、機械を運転しているというよりも軽いセーターを羽織っているような世界観が好きになったそうです。とにかくどこへ行くにも運転するのを楽にさせてくれたので、どんな遠出も全く苦にならなかったとか。当時はメルセデスSクラス、初代レンジローバー、ポルシェ911など、同時に四台所有していたけれど、他の三台と違って路上で見栄っ張り競争に巻き込まれないので特に好きだった一台だったとか。首都高速1号線でECUトラブルによるエンストを起こし、「泣きながら」30分以上独りで安全地帯まで手で押して歩いたこともあるそうで…。


【ルノー21ターボ】
JAIAの試乗会がきっかけにもなり購入した一台。


【プジョー306】
ルノー21ターボの次のフランス車。21と同じくJAIAの試乗会がきっかけで購入。


【ルノー・セニック】
写真を見たときには「吐き気を覚えるほど大嫌い」だったそうです。ただ、長距離ランでこのセニック以上に楽に走れる車はないと断言できるほど楽な一台とのこと。同時期に所有していた106と良いペアだったとか。八年乗って売却。走行距離は二万km前後。


【プジョー106】
気分を明るくさせてくれる一台とのこと。1000km点検時に「仕方なく」アウディに乗ったら気分が暗くなったそうです。車検時の代車はプジョー1007。三年少し乗って売却。


【プジョー1007】
一年間の長期貸与の末に購入。そして二年経たずに売却。譲った相手は磨きマニアの社員。この社員なら「大切にしてくれそうだったから」だとか。


【プジョー207シエロ】
1007の次のフランス車。想像以上に開放感があるのがお気に入り。


【フェラーリ・モンディアルt】
1980年代の終わり頃、フェラーリは自分のものにしてみなきゃわからないだろうと直感的に購入。なぜモンディアルだったかというと、一番地味でフェラーリらしくないから乗っていても恥ずかしくないからだったとか。そして、手放した理由は「フェラーリだったから」とのこと。一番地味なモデルではあっても、やっぱり派手だったんだそうです。何となくですが、日本初のフェラーリオーナーである佐藤幸一さんが、250GTカブリオレ・ピニンファリーナ以降は一度もフェラーリを手にしてないことに通じるものがあるように感じます。フェラーリというクルマは欧州の階級社会を前提にした車であって、普通の人は乗っちゃいけない車だったんですとの佐藤さんのお言葉はどこか重く響きます。


【マツダ・ロードスター】
近所にある音楽学校の近くに停めていたら車上荒らしに遭った一台。この一件をもって、ロードスターはスポーツカーだと認識したそうです。


【初代レンジローバー】
2ドア左ハンドルのスイス仕様。何台も乗り継いだレンジローバーの中で唯一、「四駆のロールス・ロイス」を感じられた一台だったそうです。1980年代前半にコックスの渦尻さんから購入。といっても私には皆目わからなかったので調べてみると、コックスというのはフォルクスワーゲンやアウディのチューニングメーカーで、コンプリートカーもある筋金入りのチューニングメーカーでした。チューニングメーカーというとついついベンツやBMWの系統ばかり思い浮かべてしまいますが、本当に知れば知るほど奥深い世界ですね。しかし、カーグラフィック誌の巻末にあるプライスリストでメーカーに混ざってロリンザーやブラバスなどチューナー車両(コンプリートカー)の新車価格も載せられていますが、マンソリーなどはありません。あそこに載せられるチューナーと載せられないチューナーの違いってどこにあるんでしょうか…? また謎が一つ。


【レンジローバー】
初代を三年乗った後に購入。イギリス在住の知り合いに頼んで4ドアの新車を並行輸入したそうです。


【レンジローバー】
三台目はモデルチェンジ直後のモデルを正規ディーラーにて購入。三週間も乗らないうちにバッテリー上がり。昔のロールス・ロイスというより、昔のキャデラックやクラウンという印象を受け、ディフェンダーの購入を検討開始。


【ランドローバー・ディフェンダー】
アメリカ仕様の正規輸入が決定し、300万円を切る価格で購入。「化石のような車」とはご本人の弁。130km以上出すと直進性が不安で本気で怖くなるそうです。購入後二年でオイル漏れ開始。でも、「四駆のロールス・ロイス」のルーツはここにありと感じられる一台だとか。


【メルセデスベンツ500SEL(W126)】
1980年代初めに並行輸入で購入した一台。1970年代の初め、生まれて初めてSクラスのリアシートに座り、リアシートに対する世界観を覆されたので、このW126のリアシートには積極的に人を乗せていたそうです。同じような感動を味わってもらいたいために。その後、アルピナB3へと買い換え。


【アルピナB3】
JAIAの試乗会がきっかけにもなり購入。このB3の次のオーナーは数ヶ月で全損にしたそうです。アウディS4へと買い換え。


【アウディS4】
1999年夏に納車。購入の動機は自分でもよくわからない一台だったとか。カックンブレーキに悩まされていたところ、「天の助け」となる曙ブレーキに出会い、六割ほどまで改善することに成功。初めての車検を終えたとき、まだこのクルマが家にあったことに自分でも驚いたそうです。


【ポルシェ911SCタルガ】
しばらくは911にほとんど興味がなかったものの、30歳のときに二ヶ月間一人でパリに滞在したことで覚醒(?)。サンジェルマンデプレのそばで911がいつも路上駐車しており、それを毎日見ていてなんだか親近感を覚えたまま帰国。そして、中古車屋のおやじからポルシェがあるんだけど見に来ないかといわれ、見に行ったらなんとパリで見たのと全く同じガンメタリックの911SCタルガが。これは運命かと思い購入、価格は250万ほど。ただ、ご本人曰く「中古車屋のおやじにだまされて買った」とか。酷い状態のをつかまされたとのことで、シフトレバーが左右にブラブラでクラッチミートも手強くちゃんと走らないから自分のテクニックが駄目なんじゃないかと思ったそうです。初乗りでは自宅まで1kmもないのに気が遠くなるほど遠く感じたそうで。この最初の個体については直すところまでがまず最初のストーリーとのこと。


【ポルシェ・カレラRS】
1991年に購入。いわゆる964RS。リミテッドスリップデフを違うギア比のものに交換。アンダーコートが無く錆びやすいためにディーラーの方から「雨の日には乗らないように」と言われたそうです。ガレージのフロアがタイルのため、雨の日にガレージ内でスピンしてリアのフェンダーをゴチン経験あり。


【ポルシェ911GT3】
996初期型。964RSからの乗り換えで2000年に購入。このGT3こそが964RSの後継に思えたそうですが、購入後しばらくは戸惑っていました。なぜなら、車重に関しては964RSの後継でないことは明らかだったし、ターボほどのパワーもなければ、ストイックさもなく、荒々しいエンジンの存在感だけが他モデルとの違いを主張していたと感じたからだそうです。


【BMW130i】
このクルマを女性にたとえるなら、「ちょっとすまして、ブランド物志向で、気がちょっとだけ強くて、でも顔立ちは普通で、少し厚化粧で、足はそんなに長くなくて、クローゼットとか冷蔵庫とか開けると意外にだらしなかったりして、でも、なんだかちょっとだけ人気者」な一台だそうです。ただ、松任谷さんによると、「部屋が散らかっていても平気な女子は心がまっすぐ、整理整頓好きでびしっとしている女子は邪念だらけ」との理論があるそうなので、このBMWは心がまっすぐなのかもしれません!


【アウディRS4アバント】
S4からの乗り換え。茅ヶ崎からのゴルフの帰り道、渋滞した東名高速上でエンジントラブル。スロットルバルブが原因とのことで、レッカー代と合わせて25万円の出費に。


【三菱・ランエボ4】
奥さんのコンサートつながりで三菱自動車の人と話をしているうちに、いわばノリで「買いましょう!」ということになった一台。チューニングを二回施している一台でもあります。一回目は購入二年後に足回りを。車高を3cmほど下げたものの、ノーマル時より乗り心地がよくなったそうです。ピッチングも減り、ステアリングフィールもより自然に。二回目のチューニングはそれから四年後くらいにエンジンとブレーキを。ブレーキはブレンボに。エンジンのほうはといえば、フルパワーでシフトアップするとマフラーから火を噴くそうです…見てみたい! そして12年目を迎えようとするときにステアリングをバックスキンに。


【メルセデスベンツC63AMG】
ボディーカラーはホワイト。ナンバーは広報車両のときのまま。ひかえ目の「ひ」の字もないような面構えで、奥さんからは「ホスティみたい」と言われている一台。6.3リットルエンジンのメルセデスを買えるのはこれが最後かもという思いもあり購入。松任谷さんにとってメルセデスの6.3というのは特別な言葉のようです。マークⅡに乗っていた頃に衝撃を受けた300SEL6.3がずっと記憶に残っていたものの、今、古い車を買ってガレージにとめておくという余裕は何となく無く、それでも6.3というキーワードに惹かれながら選んだそうです。追突されたときに乗っていたのもこのクルマで、最近は家を出て最初の信号で停止中にエンジントラブルに見舞われ入院中だとか。全塗装して他の色にしようと思案するも、オールペイントには300万円もかかるということで二の足を踏んでいるようです


【レンジローバー・イヴォーク】
試乗せずにオーダーした一台。試乗せずに契約したのはフェラーリのモンディアルt以来でこのイヴォークが二台目。日本には6月中に到着予定だったものの、シッピングがキャンセルされて7月の中旬にずれこみそうとのこと。ちなみに右の画像は都内ショールームに展示中だったイヴォークの内装です。ステッチで一目でわかるように、ダッシュボードの上も下も革張りとなっています。このお店でいろいろと話を伺っていたのですが、イヴォークにもフラッグシップのヴォーグに使われているのと同じオックスフォードレザーが使われているとのことで、450万円からという異例の戦略価格なのに内装での手抜きはありません。こういうところがブランドイメージに一役買ってるんだと思います。そしてステッチをよく見ると、上は黒で沈めつつ、下のナビ横では白の差し色となっています。内装の張り替え屋さんの受け売りとなりますが、ステッチの間隔や色を複数で組み合わせてオーダーできる人はほとんどいないそうです。よくあるシートの張り替えであっても無難に全部同じステッチが定番で、ダブルとシングルを組み合わせる程度だとか。イヴォークの場合は最初から一段上の状態で提示されてあるので、つくづくよく考えられてるなぁと思います。しかし車に使われる革っていろいろありますよね。オックスフォードレザー(コノリーレザー)、ナッパレザー、ダコタレザー、アニリンレザー、などなど。革に詳しい人からみればこれらを並記するのはphpとcgiを並記するのと同じくわかってない奴だと思われるかもしれませんが、素人なので勘弁してください。私(管理人)的にはステッチがなくても一目で革とわかるしっとり感抜群のナッパレザーにも興味をひかれます。あ、そうそう、ランドローバーの伝統らしく、イヴォークの第一号車も英国王室に納車されたようです。やはりひと味違うブランドです。


【テスラ・モデルS】
2015年の暮れ頃にオーダーした一台で、2016年3月に納車予定。人生初となる電気自動車。私(管理人)の予想では次はルノー・メガーヌ・トロフィーだったのですが、見事に外しました。
 モデルSをオーダーしたと知って改めてふりかえると、松任谷さんは2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤーでモデルSのP85Dに10点(最高点)を投じていました。10点を投じた理由については、「EVのメリットを最大限に生かしたコンセプトであること。ソフトをバージョンアップしていく考え方は今後の時代の主流になり得るであろうこと。 自動運転に最も近い位置にいること。それでいてクルマとしての魅力がはっきりと備わっていること。」とコメントしています。また、2015年の10月にテスラから赤いP85Dを借りていたときも、もはや地球の乗り物ではない宇宙人買うしかない等の発言がありましたので、本当に気になる一台だったのでしょう。
 オーダー車両はおそらくP85Dだと思われますが、3月に納車されてからガソリン車に対する評がどのように変化するのかも楽しみです。
<補足>2016年4月時点で既に納車されており、モデルSは人格が破綻しているかどうかを簡単に計れるクルマだそうです。今の時代、人格を簡単に計れるクルマは「フェラーリでもランボルギーニでもない」、モデルSだとのことなので、やはりアクセルを踏み込んだときの世界が人格を左右しかねないのでしょうか。

2 comments to 【松任谷正隆の愛車】

  • すっど

    グッジョーブ!
    すばらしい!!
    御本人でも覚えてないような
    まさにCGTV通信他、20年以上にわたる各方面での出典をご記憶されていると思われる内容です。
    もしかしたら、間違いかもしれませんが、
    80年代後半に長野の別荘用に三菱のジープも所有されてませんでしたっけ?
    借用車だったかな?
    本当、間違いだったらすみません。

    • admin

      すっど様、コメントありがとうございます!
      全てをそらんじて書けるほど頭は良くないのですが、
      TVや雑誌等でときどき飛び出すエピソードがどれも面白く、
      しかも乗られている数がめっぽう多いので、ふと
      「一体それぞれの車の前後関係はどうなってるんだろう…?」と思い立ってまとめてみました。
      三菱のジープについては知りませんでした、勉強になります!
      80年代といえばMTのパジェロも乗られていたはずですが、こちらも漏れてます!
      他にも漏れている車やエピソードがたくさんありそうですが、
      その都度修正をしつつ、のんびりやっていこうと思います。
      しかし、本当に凄い数です…。

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