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自動車用レザーシリーズ第八弾は、

ロブソンレザーです。

ステアリングやシートの張り替えで有名なロブソンレザーですが、もちろんレザーそのものに定評があってこそのロブソンレザーとなります。

ロブソンレザーとは

「ロブソンレザー」とはショップ名であり、同時にレザー名でもあります。

張り替え専門ショップのロブソンレザーが、ロブソンオリジナル本革、オリジナルのプレミアムナッパレザーをも扱っているので、「ロブソンレザー『で』張り替える」という表現も「ロブソンレザー『に』張り替える」という表現も成立してしまいます。

ただ、一般的に広く知られているのはやはり、オリジナルも含めて多様なレザーを擁する張り替え専門ショップとしてのロブソンレザーでしょう。輸入車のステアリングやシートの張り替えを得意にしている一方で、歴代GT-Rでは実に1500台以上の張り替え実績を誇ります。

取り扱うレザーは多岐に渡っており、サイケデリックな色をしたランボルギーニ純正のパイピング用レザーすらお取り寄せ可能ですし、

アルカンターラもお取り寄せできます。私にとってはそれらランボルギーニレザーやアルカンターラも、何となくロブソンレザーです。

輸入車のカスタマイズ雑誌『af imp』の昨年10月号でロブソンレザーが紹介された際、

「ロブソンレザーの本革は雨に濡れても拭くだけでOK。万が一、タバコの火が付いても30秒ぐらいなら耐えてくれる。UVにも強いし、エアコンの温度にも敏感に反応する」

と紹介されていました。

この紹介が数あるロブソンレザーの中のどれを指していたのかはわかりませんが、自動車用レザーとしても非常に高い物性を備えていることは間違いありません。

これまでの記事でも言及してきましたように、自動車用レザーには家具や衣料用とは比較にならないほど高い耐久性が求められています。

一般的な自動車用レザーであっても、たとえば、カリフォルニアの海岸沿いに停められてシート表面が100度近くになることを想定する一方で、寒冷地のマイナス40度までを想定し、さらに収縮しづらいようになっています。乗降時の耐摩擦性は乾燥状態と人工汗で濡らした状態の二重に確認され、

試験機で延々と衣服をこすりつけ、これで簡単に摩耗して色落ちするようでは自動車用としては不適格となります。

さらにそれがナッパレザーともなると、そのスペックを維持したままでタッチ感や風合いまで求められてしまいます。いわば、至れり尽くせりレザーというわけです。

家具用レザーであれば使用環境はあくまで室内ですから、人間が暮らせる範囲内での耐候性があれば問題ありません。しかし、放置車両の中などとても人間が生きていけない温度になりますから、自動車用レザーには本当に無理難題とも言える物性が求められています。

そこで、先に挙げた

「ロブソンレザーの本革は雨に濡れても拭くだけでOK。万が一、タバコの火が付いても30秒ぐらいなら耐えてくれる。UVにも強いし、エアコンの温度にも敏感に反応する」

を見てみると、極めて高水準であることがわかります。

自動車用レザーと同じくらい高い基準が求められている唯一とも言って良いレザーが、航空機用のレザーです。航空機用レザーに求められる難燃性、つまり安易に燃えてはいけないという基準については、自動車の基準を上回ると言われています。

ロブソンレザーのタバコ30秒ルールがレザー自体の難燃性を意味するのか、あるいはそもそも銀面のゼロダメージを意味するのかはわかりませんが、そのいずれであっても航空機用に匹敵できそうな水準に思えます。

ロブソンのナッパレザー

ロブソンレザーの看板レザーと言えばナッパレザーであると私は勝手に思っているのですが、たしかナッパも複数あったように記憶しているので、私の身近にあるロブソンのナッパについてだけ見ていきます。

私はタバコを吸わないので先ほどの30秒ルールについては確認のしようがありません。ただ、恐らく、質感や風合いの良いナッパについてもその高度な物性を備えているように感じます。

私の愛車はダッシュボード上下全体もピラーもセンターコンソールもステアリングもドア内張「以外」全体(内張はイズミー)も、ロブソンのナッパレザー張りになっています。シート以外の黒いところはほぼナッパレザー張りという具合で、いわゆるフルレザーです。

つまり、車を運転するたびに間近に見て触っているレザーなので、質感も物性も確かであることは常々感じています。

このナッパレザーについては特別かつイレギュラーかつ幸運にも入手することができ、ドア一枚につき半裁が一枚、センターコンソールにも半裁一枚と、分量に余裕をもって入手することができました。ちなみに、牛一頭分をそのままなら丸革と呼び、それを半分に裁断したサイズを半裁と呼びます。

といってもそのサイズ感は掴みづらいかと思います。次の画像は

大塚家具で行われたスイスのソファーメーカー『デセデ』の実演会の様子ですが、左に吊されている巨大な一枚革が丸革となります。もっともこれはソファーとしても異例の五歳牛なので、一般的な丸革と単純比較はできませんが、大体同じくらいのサイズと考えていただいて問題ありません。

この半分が半裁なので、半分と言ってもそれなりのサイズです。その中からさらに良い部分だけが選ばれてドア全体、そしてセンターコンソールなどへと張り込まれていくので、やはりこれくらいの余裕は必要になります。

そして、それぞれ贅沢に張り込まれた後に

結構な量が手元に残りました。レザーがレザーなのでとても捨てる気にはなれず、見れば見るほど何かに使いたくなります。そこで、トートバッグを作ろうかとなりました。

なぜトートバッグなのか

私がよく使っているトートバッグはGentenのビッグトートになります。

アマーノトートバッグシリーズの32880番で、現在は同一商品のまま40380番へと番号だけ変更されていますが、このバッグは非常にシンプルで使いやすく、ノートパソコンを四台入れても平気なほど頑丈なので重宝しています。

普段はノートパソコンやら一眼レフやらコンデジやらタブレットやら書類やら雑誌やら財布やらコインケースやらを詰め込んで愛用しているのですが、その気になれば20kgのお米1袋をそのまま放り込んでも大丈夫なくらいしっかりしています。

このトートバッグには「チャ」「ノウチャ」「ヌメ」と三色の設定がありましたが、エイジングを楽しみたい私は迷わずフルタンニン鞣しのヌメに飛びつきました。

購入当初は

非常に将来有望で若干の気恥ずかしさすら覚えるような素揚げの風合いが、今では

こってりキャラメル色に近づきつつあります。便利で頑丈ゆえに気軽に使い倒しているバッグですが、ヌメ革なので雨の日には持ち出しづらく、雨が降りそうというだけでも持ち出すのが躊躇われていました。雨にも強ければ…と漠然と考えていたところへ、思い出したるロブソンレザーです。

ロブソンレザーは雨に濡れてもさっと拭けばOK。雨の日に持ち出すのが躊躇われたビッグトートの素材としてはまさにうってつけでした。

バッグ製作

製作といっても自分でできるわけもないので、Web検索で見つけたレザークラフト教室に問い合わせ、一品だけでも請け負ってくれる方を紹介していただきました。そして、すぐにナッパレザーとGentenのバッグを持ち込み、Gentenそのままの寸法とデザインでお願いしました。

パーツごとに

型紙を起こしていただき、その過程で素人目には凄くシンプルに見えていたトートバッグにも、意外と工夫が凝らされていたことを教えていただきました。

今回のナッパレザーはGentenの分厚いヌメより薄いので、念のために底の部分は余分に補強をしていただきました。また、この型紙の過程でレザーの量が足りるかどうかギリギリということが判明しましたが、何とか無事、完成にこぎ着けることができました。

バッグ完成

ヌメ革を前提にデザインされているバッグを全く性質の異なるナッパレザーで再現するという、今考えれば無理があるお願いでしたが、

このようにくったり感といいますか、くたっとした感じがとても良い雰囲気に仕上がりました。ロブソンレザートートバッグの完成です。

Gentenと同寸法の同一デザインながらも、表情や仕立て映えが全く異なっており、ナッパレザーの良さが出ています。くたっと柔らかくはありますが、革自体がしなやかで強いので、書籍を10冊ほど詰め込んでも問題ありません。ときにトートバッグ、ときにレザー巾着袋といった姿を見せますが、レザーそのものを楽しめるバッグです。

さいごに

ロブソンレザーを始め自動車用レザーはもちろん車内で本領を発揮してこその自動車用レザーですが、今回のトートバッグのように、自動車から離れたところで使ってみると改めてレザーそのものの強みを認識させられます。他業界のレザーと違い、物性面で非常に特殊な領域に位置するレザーと言えます。

以上、自動車用レザーシリーズも第八弾となるので、少し趣向を変えた内容にしてみました。

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