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BMWのi8です。市販車両で世界初となるレーザーヘッドライトがまばゆいi8です。

厳密にはBMWiのi8だそうですが、認知度としてはBMWのi8となっているので、BMWのi8ということで。

そこまでやるか、レーザーヘッドライト

このi8は去年、

六本木ヒルズの展望台で行われた内覧会で撮影した画像なので、

完全な市販型のi8とは少しだけ異なっている部分もあります。

さすがに市販型には

横から車内が丸見えになるシースルードアは引き継がれませんでした。

しかし、

これまでの自動車には見られなかった形状のボンネットや、

LEDの1,000倍の明るさが無段階に光量調整できるレーザーライトヘッドライトはそのまま受け継がれます。BMWが世界初となるレーザーヘッドライトを採用すると知ったとき、「そこまでやるか!」と思ってしまいました。キセノンヘッドライトでも十分だと感じている私にとっては、LEDでさえ十二分です。その上を行くレーザーライトを採用というのは、そこまで必要なのかという思いでした。600メートル先を煌々と照らし出すレーザーヘッドライトが必要になるのは、時速250kmで巡行するなど超高速クルージング時くらいでしょう。ただ同時に、いかにもBMWらしい先進技術だなとも感じました。

iDriveのような

ジョグダイヤルは、今でこそメルセデスベンツが

コマンドシステムで、あるいはアウディが

MMIで追随しましたが、BMWが先陣を切って7シリーズにiDriveを搭載した際には、バレーパーキングでホテルマンを困惑させることしきりだったようです。オーナーすら置いてけぼりだったので、はっきり言うと先進的過ぎて不評だったのでしょう。ただ、そういう先進技術を積極果敢に採用する姿勢が今でも健在に思える、そんなレーザーヘッドライトです。おそらくは、このレーザーヘッドライトもやがて他社が追随して標準装備になる時代がやってくると思います。

そこまでやるか、サステイナブル

さて、このi8やi3などBMWiブランドの車は、拙速に台数を売ることを目的とはせずに、まず環境志向の強いブランドとして育てるというアナウンスがありました。ただ、本体のBMW自体が環境志向な企業であることを隠さなくなっているので、製品のライフサイクルを通して「エコ」、つまりサステイナブルという印象ではBMWとBMWiとの境界線は薄れているように感じます。

BMWグループとしてダウ・ジョーンズのサステイナビリティ・インデックスで毎年のように自動車部門でトップの評価を受ける一方、FTSE4グッド・インデックスにも10年連続で選ばれ、かと思えばSAMサステイナビリティ賞でも自動車メーカーでトップ評価を獲得し、SAMゴールドクラス賞も受賞しています。まるで表彰台荒らしのような状態ですが、ステッカーが「Freude am Fahren(駆けぬける歓び)」から「Efficient Dynamics」に代替わりしたころから、これらサステイナブルな実績を大々的に表に出すようになっています。駆けぬける喜びと両立できると確信したのでしょう。

BMWiの北米拠点モーゼスレイク工場では自社水力発電で100%自給可能な態勢を取る一方、ユーロ拠点のライプツィヒ工場では自社風力発電でやはり100%自給可能という、またしても「そこまでやるか」という取り組み方をしています。

また、サステイナブルといえばリサイクルですが、リサイクルが不可能と言われていた

カーボンにすらリサイクルの道筋を付けています。i3にいたっては

カーボンやバッテリーですら95%リサイクルしてしまうということで、その執念たるや恐るべしです。ちなみにカーボンはプラスチック剤としてリサイクルするそうで、随分と贅沢なプラスチック剤になるんだなと思いました。京セラがあえて特許をとらずに秘伝にするセラミックノウハウのように、何かカーボンの秘伝があるんだろうなと思ったら、案の定、カーボン成形の工程で時間・圧力・温度管理に非公開のノウハウがあるとのことでした。

そこまでやるか、オリーブタンニンレザー

六本木の内覧会で一番驚いたのは、シートやドアトリムなど、車内で使われるレザーの鞣し工程すら見直していることです。オリーブの葉っぱとレザーサンプルとの間には、

オリーブ抽出タンニンが誇らしげにディスプレイされていました。

ざっくりと曰く、

100kgのオリーブの実を収穫すると約30kgの葉っぱが廃棄処分されます。しかし、BMWiはその30kgの葉っぱから、上質なレザーを鞣すために使えるタンニンの抽出・開発に成功しました! クロム鞣しと違ってタンニン鞣しは金属やホルムアルデヒドを使わない安全な製法です。地球に優しい!

大体このようなメッセージが添えられていましたが、たぶんほとんどの人が「…!?」だったことでしょう。

個人的にダッシュボードやドア全面、ABCピラーにセンターコンソールなど全てナッパレザー張りにしているレザーマニアの私としては、ここまでやってのける自動車メーカーが登場したことに驚愕するとともに、嬉しくも思いました。ただ、よほど革に興味がある人でもない限り、そもそもクロム鞣しとタンニン鞣しの意味も知りません。このディスプレイを見て「内装レザーをタンニン鞣しに統一って、筋金入り過ぎるエコだな!」だとか「メリノレザーに肩を並べるプレミアムレザー来ましたな」なんて考えた人は1%もいないでしょう。そんなところを飛び越えて、「タンニン抽出!」ですから、突っ走っています。iDriveで先陣を切ったときのように、そこまでやるかの勢いです。

自動車の存在意義を賭けた取り組み

中国のPM2.5問題を持ち出すまでもなく、自動車という存在が環境にかけている負荷は計り知れません。そんな中、こと「サステイナブル」や「環境負荷」ということに関しては、自動車業界でBMWただ独りが突っ走っているような様相で、そこにライバル社の姿は見えません。特定のライバル社と戦っているのではなく、自動車の存在意義自体を賭けて独り戦っているようですらあります。

世の中にハイブリッドカーや電気自動車など「エコカー」と呼ばれる車は多々ありますが、それらの製造工程や廃車後までをも見据えたライフサイクル全体で「エコカー」と呼べる車はどれほど存在するでしょうか。

ライフサイクル全体で見るとエコカーと呼べないのなら、そのような車に乗っても胸を張れないのではないか。BMWの問題意識はそこにあるのかもしれません。

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